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パーマカルチャーによる農場作り
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■森と畑 |
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パーマカルチャーの究極の目標は世界中を森にすることだ。森とは生態系でいう極相を意味する。即ち、その地域で最も多様で安定した生態系を作ろうと言うことだ。畑作りにおいても同様である。森のような畑を作るのである。 それでは森のような畑とはどの様な畑であり、どの様な作り方をしたらよいか。まず 森の構造とシステムを考えてみよう。 ◆森の構造の特徴としては以下のものが上げられる。 1.重層的な空間である 2.植物、動物共に多様である 3.個性ある部分の集合体となっている ◆森のシステムには以下のような特徴がある。 1.常に変化している 2.水やエネルギーなどをかなりの部分循環させることが出来る 3.森を構成する無機物や、植物、動物などの関連性が高い |
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■農場の作り方 |
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農場づくりは冬の訪れとともに始まる。以下に時系列的に農作業の手順を解説する。
1.落ち葉集め(11-2月) 森の中の栄養分の多くは落ちた葉から与えられる。落ち葉がミミズや微生物により分解され、再び植物に吸収されるのである。栄養分については、もちろん虫の死骸や鳥の糞などにより供給される量もバカにはならないのだが、落ち葉でほとんどまかなえると考えて良いように思われる。しかも、現代ではでは、農業を営む人が多い山村でさえも、落ち葉は厄介者扱いされており、道路に積もった落ち葉は集められて燃やされてしまうことが多い。落ち葉集めは、畑にとっては栄養分を補給することになり、道路はきれいになり、しかもエントロピーの生産量を減らすことが出来るという様々な効果を持つ。 落ち葉を集めるにはまず、夏のうちに沿線に落葉樹が多く生えている道路を見つけておく。もちろん自分の農場から近いところにこしたことはない。そして、紅葉がほぼ終わって、木枯らしが吹いた翌日、できれば、朝のまだ交通量の少ないうちにでかける。最近はガーデンニングブームのためか、大量に落ち葉集めを行う園芸店の人とおぼしき人がいるので、奪い合いになることもあるので出来るだけ朝早い時間帯がよい。
ビニールシートを使うことの利点は、 ● 袋に比べて、落ち葉を積みやすい。 ● 袋よりも多くの落ち葉を入れることが出来る。 ● 持ち運びやすい 熊手は鉄製のものよりも竹製のものがいい、鉄製のものだと落ち葉がくっつきやすくて取るのに時間をとられてしまう。又、箒も普通の箒では落ち葉の重さに負けてしまう(たいていの場合、落ち葉は湿っているので、結構重くなる) |
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■現場の選び方 |
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● 風溜まりを選ぶ
現場へ行くと道路と側壁の際に落ち葉が吹き集められている。道路と側壁の 間に側溝が設けられているところがあり、側溝の中に落ち葉が溜まっていることが多いが、そういうところは避けた方がよい。手間がかかるのと、側溝の中が排気ガスやゴミで汚れてしまっているところが多い。道路沿いでも特に風により多くの落ち葉が集められているところがあるので、そういったところを選ぶ。 ● 木のすぐ下は避ける 道路に木が覆い被さっているところでは木の枝が落ち葉に混じってしまっている。落ち葉と枝では分解速度が違っており、堆肥化するにしてもマルチにするにしても邪魔になることが多いので、枝が多く混じるような所は避けるのが賢明だ。 ● 交通量の多いところは避ける 交通量の多いところはタイヤかすや車の廃棄物、ゴミなどが多く、畑には持ち込みたくないものが堆積していることが多い。また、集めているときの安全性などにも問題があるので出来るだけ避ける。 ● 山の中の落ち葉は使わない。 山の中で土の上に敷き詰められた落ち葉を集めるのは避ける。木の下に積もった落ち葉を取ることはその木から、ひいては森から栄養分を奪うことになり、森林破壊につながる。落ち葉集めの基本は山の余った恵みを頂いてくることにある。 |
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■落ち葉の集め方 |
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■落ち葉の使い方 |
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集めてきた落ち葉は貴重な資源である。PCCJではこの落ち葉を主に以下のように利用している。
◆積層マルチ
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■踏み込み温床 |
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寒い地方は、夏野菜の苗を作るのにどうしても温室か温床が必要になる。どちらも室内の温度をどう上げるかが一番のポイントで、化石燃料などのエネルギーを使わないとなると太陽熱と発酵熱が主な熱源となる。太陽熱は日中に限られるので、夜も含めてある程度の温度を確保するとなると発酵熱を用いることになる。しかし、発酵とは微生物の働きであるので、生き物を使うことになり、実際に行ってみるとなかなか難しい。昨年は余り温度が上がらなかった。
基本はマルチと同じで窒素分と炭素分を交互に積み上げて発酵を促すことにある。温床づくりは、まず、長さが1間幅が半間高さが2尺位の箱をつくる。材料は野地板でも良いが、もし廃棄された畳があれば保温力が高いのでこれをそのまま使う。杭を四隅に地面に打ち込んで支えにする。箱が出来たら、中に先ず落ち葉を厚さ15センチほどに敷き詰め水をかけ足でよく踏む。 次に鶏糞と米糠やおからなどをこれも厚さ1センチになるくらいに敷き詰める。これを2層つくる。箱の上に家の解体現場から貰ってきたアルミサッシのガラス板をかぶせておくと発酵が始まって、3日ほどで25度くらいまでになる。そうなったら落ち葉の上に種を蒔いた苗箱を置き、出来上がりである。昼間は陽が射せば非常に暑くなるので、陽があたりだしたらガラスを少しずらして熱気が外へ逃げるようにしてやる。陽が沈んだら、筵か或いは要らなくなった毛布を掛けて夜の寒気を防ぐようにする。 |
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■鶏と山羊の餌 |
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冬は緑餌が不足する。11月にはほとんどの一年草類が枯れてしまい、鶏には野菜屑を山羊にはアオキなどの木の葉か竹の葉を緑餌として与えることになる。山羊には毎日2回なのでこれはかなりの量となり、探すのも苦労する。落ち葉は鶏も山羊も比較的好んで食べる。鶏に与えるときには乾燥しているのは食べないので、飲み水の中に入れておいてやる。 |
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■農場のデザインと形成(11〜3月) |
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多くの人の頭の中には畑は四角で起伏がなく、畝は直線的と刷り込まれている。しかしこの形が植物の生育に適しているのか、或いは人間が作業するのに最も良い形であるのかは疑問である。自然の中に直線はなく、また、土地は様々な作用により必ず三次元的な起伏を持っている。生き物はそういった曲線や起伏を上手に利用して、生育し、また、棲み分けているのである。 自然に逆らうのではなく、自然に沿って、或いは自然が動こうとするベクトルと同じ方向に人間の力を注ぎ込むことがパーマカルチャーの原則であり、農場を作ることにおいてもその原則に変わりはない。 ◆農場のデザイン 畑をつくる時には、先ず日照や湿気或いは土質などを考慮しながら、全体のデザインを行う。これは、いきなり現場(農場)で考え作り出すのではなく、前もって、紙の上などで慎重に時間をかけて行う。このデザインを行うときに考慮することは先ずシステムとパターン。システムとはエネルギーの流れであり、パターンとはエネルギーの(流れる)形と考えればよい。そして、システムデザインとはシステムがうまく機能するようにそのシステムを構成する要素を適切な位置に配置することである。人間の費やすエネルギーを基準に要素を配置していくゾーニングもシステムデザインの一つである。又パターンは畑の形状や水路あるいは人間が歩くアプローチなどに生かされる。 ◆システムデザイン 畑において主に考慮すべきエネルギーは水・光・熱・栄養分・動物・植物の4つである。前者3つについてはこれらを何処で取り入れ、どの様に利用し、そして排出するかが、システムデザインであり、このデザインにより、生産性や労力、環境に対する負荷が大きく異なってくる。動物についてはその習性や特徴を理解し、植物や他の動物と関連づけるシステムをデザインする。植物についてはコンパニオンプランツの考え方に基づき様々なギルドを作る。 a.水 水は重力によって上から下へ移動する。下から上へ動かそうとすれば、重力の分だけエネルギーが必要となる。又、水は、様々な物質を溶け込ませて移動させることが出来る媒体でもある。よって、水は畑(農地)の出来るだけ上の方に溜めそれを重力により移動させながら出来るだけ何度も利用し(水そのもの或いは媒体として)、最後には浄化して(水に溶けた栄養分を植物の栄養として利用して)排出することがデザインの基本となる。 PCCJでは、以下のような水のシステムを設けている。PCCJの農地は棚田状で、高度差的に3段になっている。一番上の部分にトイレを設け、トイレからの排水は、多孔石を入れた浄化槽と、炭を入れた浄化槽を通って、植物による水の浄化を行うバイオジオフィルターに導かれる。ここで浄化された水は池に落とされる。この池ではアヒルが飼われており、アヒルの糞などにより栄養分を含んだ水は次に水田に流れ込む。この際池で水が温められるために、稲の生育にとって好影響を与える。水田の水は、徐々に地下浸透してその下の段の池に溜まり、ここでは魚の養殖が行われる。この池の回りにはヤナギ(水分の多いところを好み成長が早く、枝は、細工や薪に用いることが出来る)やサトイモやニンジンなどの野菜が植えられる。池の水は徐々に地下浸透して浄化され、河に流れ込む。 POINT1.水のストックを増やす 出来るだけ多くの池を作りそれらをつなぐこと。水田も池の一つと考えると良い。棚田状になっていないような斜面では、等高線に沿って、溝(スウェイル)を掘って、水が徐々に地下浸透していくようにして、その溝の外側に果樹を植える例がパーマカルチャーの現場では多く見られる。 b.熱 熱は植物の生長や動物の飼育には欠かせないエネルギーである。畑における主な熱源は、太陽光、微生物による発酵熱、及び動物の体温である。 太陽熱 POINT1. 蓄熱体を用意する 太陽熱については、冬から春にかけては、これを出来るだけ多く、そして長時間ストックしておくことを考える。最も簡単な方法は、質量の高い(重い)物質に太陽の光を出来るだけ多く当て蓄熱させることである。即ち石やレンガ、廃タイヤなどに蓄熱させ、夜など、温度の下がるときに放熱させる。温室など断熱を施した施設の方が蓄熱効果は高いが、屋外であっても大きな石や、家など大きな質量を持つものであれば、かなりの保温効果が期待できる。又、大きな池も蓄熱体と考えられる。 POINT2.樹木によるサントラップ 畑の回りを防風林で囲むことは風を避けるばかりでなく太陽熱を溜める効果もある。畑の北側は常緑の高くなる木を植え、畑を取り囲むように南に向かって徐々に低い木を植えておく。 発酵熱 POINT1. 発酵にはボリュームが必要 温室を発酵熱を使って暖める方法については踏み込み温床の所で紹介した。熱を伴う微生物の分解は腐熟であるとの見解があるが、ここでは、発酵とする。発酵熱は有機物が微生物の働きにより分解される(可溶性無機養分となる)過程で放出されるのもである。システム的に考えると不要になった有機物(生ゴミや糠、藁、鋸屑など)をを分解して再度植物が使える無機養分とする循環システムの一部である。この時活動する微生物は、好気性菌であり、活動にあたってはある程度の気温を必要とする。このため、ある程度断熱効果のある場所と、ボリュームが必要となる。理想的には1立方メートル以上の堆肥を温室内で発酵させる。これにより有機物が完全に分解するまで菌は活動することが出来、又、発酵熱を温室の保温に用いることが出来る。炭素/窒素比は40〜25:1、水分量は40〜50%位にする。 動物 POINT1. 常温動物は熱源 常温動物は常に熱を発散している発熱体である。日本でも古くから、鶏を床下に飼う床暖房や、馬などの家畜小屋と人間の住居を同じ屋根の下に設けて家を暖める(曲がり屋)ことが行われてきた。温室と鶏小屋を併設することはパーマカルチャーサイトでは普通に見られる。又、人間も動物であり、特に多くの熱を無駄に使う。この熱(廃熱)を有効に利用することを考えるべきだろう。畑の一角に温室兼風呂場を設け、温水は川の水(あるいは雨水)を太陽温水器で暖めたものを用いる。風呂桶一杯の水はかなりの量があるので、小さい温室であれば、朝まである程度暖めておくことが出来る。 c. 栄養分 植物の生長に必要とされる必須元素は16種類とされており、そのうち最も多く必要とされる炭素、水素、酸素は、主に空中の炭酸ガスと根から吸収される水分によりまかなわれる。その他の13種類は土中に存在しており、根から吸収される。特に窒素、燐酸、カリウムは主要三元素と言われており、特に多量に必要とされる。 これら栄養素については、基本的には全て循環させるシステムを考える。即ち生産−消費−分解のサイクルを作ることである。具体的には、農場で生産された野菜や動物性蛋白質を住居などの生活の場で消費し、住居から出される生ゴミや排泄物を堆肥場やコンポストトイレで分解して、又農場に戻すことを意味する。このサイクルシステムを機能させるに必要な要素には以下のようなものが考えられる。 生産者:野菜、穀物、ハーブ、果樹、人間、動物 [生産に必要な装置]畑、水田、果樹園、池、鶏舎、畜舎、温室、冷室、物置、貯蔵小屋 消費者:人間、動物 [消費に関係する装置]住居、家畜舎 分解者:ミミズ、昆虫、微生物 [分解に必要な装置]堆肥場、コンポストトイレ(バイオガスシステム)、 ミミズコンポスト、 畑、落葉、不要になった紙や 衣類、オガクズなどの有機物 POINT. 栄養分は全て循環させる。 農場から採種するものをその農場を運営する者が消費し、そして排泄物を農場に還元するのであれば、栄養分を外部から入れる必要はなく、又、土壌が過栄養状態になることもない。微量元素なども必要で あれば、植物が自ら根を伸ばして土中から吸い上げたり、岩などを溶かして摂取することが出来る。即ち必要な栄養分は植物中に全てあると考えられ、それを外部に持ち出すことがなければ、農場はより健全で肥沃になっていく。 d. 動物 動物はエネルギーの塊であり、また、草などの人間が直接は利用できにくいエネルギーを動物性蛋白質という利用しやすいエネルギーに変換してくれるエネルギー変換装置でもある。動物の習性を知り、適切に利用することが出来れば、人間の労働量や機械、化石燃料などのエネルギーの消費を大幅に減らすことができる。 POINT1. 動物は全てトラクター兼肥料供給機 パーマカルチャーではチキントラクターが必須アイテムとなっているが、ほとんどの草食動物は草刈 り機兼トラクター兼肥料供給機となってくれる。但し、動物の習性を良く知った上で充分に管理しない と多大な被害をもたらすことにもなる。 鶏 鶏についてはその習性などを考えて10〜15羽くらいを一つの集団として(雄鳥1羽に雌鶏10〜15羽)直径2mほどのチキンドームに入れ2週間くらいで移動していく。前もってチキンドームの底面と同じ大きさに整形した植床を10程作っておき、それを順繰りに移動する。移動した後は藁などでマルチして、苗を植えるか種を撒く。20週で一周することになるので、雑草が出始める4月始め頃から使用し始めると収穫が終わって、別の季節の野菜を植える時期になる。 虫 鶏 肥料 野菜・穀物 雑草 山羊 山羊は予想以上に力強くそして大食いな動物である。草地につないでおけば、1日で半径5mほどの円の草を全て食べ尽くしてくれる。しかし、土地を引っかいたりするような習性はなく、むしろ長い間同じ場所におくと土を固めてしまうので、鶏のようにトラクターとして使うことは出来ない。分も鶏糞ほどは窒素分を含んでいないので肥効は余り期待できない。あくまでも広い面積を除草する除草機と考える。 乳については、一度子供を産めば、2年ほどは搾乳できるようであるが、逆に搾乳してやらないと乳腺炎を起こしてしまうので、毎日の搾乳が必要となる。力はかなり強く雌でも女性では十分には扱いきれない。良く飼われているザーネン種は身体も大きく力も強いので、パーマカルチャー農場では他の小型の山羊を飼育した方がよいだろう。 アヒル/アイガモ 除虫と除草及び肥料分の供給のみを考えるのであればアヒルが最も良い。鶏よりも知能が発達しており、人間にも良くなれる。仮に小屋や檻から脱走した場合でも畑に対する被害は少ない。また、非常に丈夫で飼育しやすい。2羽くらいであれば農場(2反で)に放し飼いにしておけば、虫の被害はほとんどなくなる。 ただ鶏に比べて、水分を必要とするので、池などの水浴が出来る施設が必要となるのと、池の中で排泄するので、池の掃除が必要となる。また、鶏もそうだが、狸や狐、野犬などの害獣の被害を受けやすいので、害獣から守る小屋などの施設も必要。 e.植物 植物もまたエネルギーの塊であり、人間を含めて消費者は、このエネルギーを摂取して生きている。そして植物はこの栄養分としてのエネルギーの他にも植物同士あるいは動物との関係を調節するエネルギーを作り放出している。このエネルギーを利用したのがコンパニオンプランツである。このコンパニオンプランツにより構成される植物の群衆システムがギルドである。以下はコンパニオンプランツの 主な機能である。 POINT1. コンパニオンプランツの考え方を知る 匂いを出して虫を追い払う 昆虫の多くは匂いでお気に入りの植物を探し出す。例えば青虫は、キャベツなどの好物が出すマスタードオイルに引き寄せられる。タマネギの出す硫黄化合物に引き寄せられる蝿の幼虫もいる。だから、他の匂いの強い植物をコンパニオンプランツに使って育てたい植物を守るという方法もある。 例えば、ニンニクのような植物は、アブラ虫や蛾をよせつけない匂いを空気中に放出するし、タマネギは、イチゴやトマトを虫の被害から守る。ミントは紋白蝶をキャベツによせつけない働きをするし、バジルはトマトにつく毛虫にとってはいやなものだ。トマトの葉にはソラナインという毒性のある揮発性化合物が含まれており、近くにあるキャベツやブロッコリーに紋白蝶を寄せ付けない。 刺激臭のある植物を庭の周辺部や作物の間に植えてみるとよい。もし作物の近くに植えられないな場合は、刈り取った香草を庭の中に撒いてみると同じ効果が得られる。 おとりとなる ある種の植物は特定の昆虫を引き寄せる。例えば、ナスタチウムはアブラ虫を引き受けてくれる非常に優れたおとり植物である。からし菜科の植物はかめ虫類を引きつける。 おとり植物は、2通りの方法で作物を守る。おとりとなって育てようとする植物に行こうとする虫を引きつけておくことが一つ。もう一つは、虫が少数の植物に集中するので、駆除が楽になることである。虫が罠にはまれば、その植物を引き抜いて虫と一緒に始末することも他の方法で処理することもできる。 益虫の棲家となる 全ての虫が害虫というわけではない。多くの虫が害虫を食べたり害虫に寄生したりして、実際作物を育てる手助けをしている。そういった益虫が住むことが出来るように、好みの花の咲く植物を植えるのもよいだろう。例えば、ディルを育てると害虫を食べる蜘蛛やウスバカゲロウ、スズメバチなどを引き寄せることが出来る。こういった虫は、青虫やキュウリにつく甲虫類、レタスにつくアブラ虫などを防除するのに役立つ。 お互いに有益な関係を持つ どんなに近くに植えても競争する事のない植物は、それだけでも庭に一緒に植えておく価値がある。 深く根を張るスクゥォッシュと根の浅いタマネギは土中での棲み分けが出来ており、それぞれの根は別のところから養分を吸収する。養分を多く吸収するキャベツやトウモロコシ、ナス、スクォッシュは、ニンニクや豆のような養分をあまり必要としない植物と組み合わせるとよい。トウモロコシや支柱に這わしたインゲン類、ヒマワリは地這いのキュウリやレタスにちょうどよい日陰をつくる。まあ、アカシアなど早く育ちまた、霜にも強い樹木は、イチジクなどの霜や風の害に弱い植物の近くに植えると霜や風を防いで、植物の生長を助ける働きをする。これら以外にも、互いに有益な関係にある植物を植えることは庭をより多様にするという利点を持つ。これはまた、ある種の虫にとっては作物の中で動いたり食べ物を見つけるが難しくなることでもある。 植物を混植すると食料やすみ家が増えるので益虫もまた引き寄せられてくる。しかも、花が咲く植物と実をつける植物を混植すると魅力的でしかも生産的な庭をつくることが出来る。 POINT2. 植物はCO2を固定する。 植物、特に樹木は長い間空中のCO2を固定しておくことが出来る。この機能はこれまで、地球のCO2を減少させるのに大きな役割を果たしてきた。農業が始まって以来、人類は、この貯えられたCO2を再び大気中に戻してきたと言える。農場内において出来るだけ多くのCO2が固定されるように可能な領域には樹木を植えるようにしていきたい。 |
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