パーマカルチャーの原則
つながりのある配置
あるシステムのなかに配置されたそれぞれの構成要素は、孤立することなく互いに関連を持つように考慮される。 異なった要素の配置を構造的に考えることによって、 植物や動物あるいは建造物の間の機能的な関係を構成することができる。 このような機能的な関係が作り出せれば、それぞれの構成要素のニーズを近くにある要素の生産物によってまかなうことにより、 余分な労働や汚染をなくしたり少なくすることができる。
多機能性
システムのなかの一つ一つの構成要素は、それぞれができるだけ多くの機能を演じられるように選択され配置される。 一般的な原則としてそれぞれの要素を少なくとも3つの機能を果たすように選択し配置しする。 例えば防風林であれば、風を弱めること、蜂のための花粉を供給すること、薪や飼料などに用いられる。
多くの要素による重要機能の維持
良いデザインでは全ての重要な機能は複数の方法により果たされる。 例えば食物の生産は非常に重要な機能だが、その地域にあった主要作物を育てる一方で、 異常気象に耐える作物も育てておく。
効率的なエネルギープランニング
このプランニングはある地域内の各々の要素の一番良い位置を決定するのに役立つ。

区域
ある地域はその地域内で利用されるエネルギーの量によって様々な区域に分けられる。 菜園や家畜のようにたびたび通わなければならない要素は家の近くか、他の活動の中心となる場所に配置され、 ナッツの木など手の掛からない要素ほど遠くになる。
区分
区分プランニングでは土地を活動の中心から放射状に広がる楔形の領域に分ける。 区分は太陽や風のエネルギーのように外部から入って来るエネルギーによって決定さる。 それぞれの領域は利用価値のあるエネルギーを導いていくかマイナスのエネルギーを 阻止あるいは散乱させてしまうようにデザインされる。 例えば涼風のための領域では家を涼しくするために、風がよく通るように余り大きくならない樹木が植えられる。 一方、寒風のための領域では風を止め向きを変えさせるために高い木が防風林を形成するように植えられる。
高度
高度プランニングでは斜面を下るエネルギーの利用を考える。 例えば、家畜は堆肥が重力によって斜面の下の方に降りていくように斜面の上部に配置される。 水源は潅漑に重力が使えるように斜面の上方に設置される。
生物資源
エネルギーの流れに目を向けることは持続可能な環境をデザインするために非常に重要である。 生命のないものはエントロピーの法則にしたがって時とともに壊れていく。 生命あるものは再生し、共生関係にある他の要素と交流することによって、時とともに適応性を増し、 相乗作用によってより多くのエネルギーを産み出す。
可能であればどこでも、あるシステムへのインプットは生物資源に依存するようにする。 こういった自然の本来的な特性を利用して食物や燃料、飼料、肥料、開墾、防虫、除草、防火、栄養の循環 そしてエネルギーの節約を行うことができる。
エネルギーの循環
ある地域において消費される生物資源を含むエネルギーは、基本的に地域内において生産さる。 化学肥料にせよ有機肥料にせよ地域外から持ち込まれるのであれば循環されない。 生産物は地域のニーズをまかなうようにデザインされ、エネルギーのインプットとアウトプットの流れは地域において循環する。 即ち、システムから漏れ出るエネルギーが極めて少なく、システム内にほとんどのエネルギーが戻される。 循環の効率が良くまた地域的であればあるほどそのシステムは安定する。
小規模集約システム
小規模集約システムとは土地の大部分が効率よく利用され、また監理されていることを指す。
植物の重層
森の中では高木、中木、低木、そして草が、それぞれの生育条件に合わせて層を成している。 これに倣って果樹や潅木、一年草類を重層的に植えることにより、生産性の高い集約システムを作り出すことが出来る。
時間の重層
先駆植物から極相でカノピーを形成する樹木までを一時に植える。 これにより遷移の間、また極相に達してからも多くの収穫物を得ることが出来る。
自然遷移
自然のエコシステムは時間とともに成長し変化するが、それに連れて植物や動物の種も遷移を行う。 現代農業では、自然の遷移を止めて一年草の段階を保っていくために耕作や除草に労働力と物理的エネルギーをつぎ込んでいる。 このように自然の流れに逆らうのではなく、 人間にとって役に立つ植物をそれぞれの段階の植物に置き換えていくことによって流れを利用することもできる。 また、一年草種のなかに成長に時間のかかる低木類や樹木を植えることにより継続的に食物の生産を 行っていくことが出来るようになる。
接縁効果
成熟したシステムの際には一年草類と先駆種と極相種が混在している。 際はシステムのなかで最も多様な地域になっている。際には光と栄養分が集まるため よい生息地となる。 自然の際は地形上様々なパターンを創り出す。人の定住もまた自然の際におい て始まった(海と海岸、平地と丘の際など)。必要なものを生産するために人 は新しい際を作り出してきた(垣や道)が、そのような際はまた自然の地形に 新しいパターンを付け加えてきた。持続可能なシステムをデザインする上で人 間のパターンを自然のパターンに合わせることが大切。 際は最も生産性の高いところなので、システム内の際を出来るだけ多くするよ うにデザインする事が必要。
多様性
一般的な法則として、持続可能なシステムは成熟するにつれて時間的空間的に 多様になる。重要なのは異なった種の数ではなく、要素の間に存在する機能的 関係の複雑さである。 エコロジストの間では、システムは多様であり複雑であればあるほど安定する と結論されている。害虫や雑草、病気、気候の変化、火事などの外部からの侵 入に対する抵抗力も強くなる。 伝統的な農業システムには多様性を持った農業や生活様式のよい例がたくさん ある、しかし、近代的な単一作物栽培に急速に移り変わってきている。先進国 の人間は発展途上国に残る伝統的な農業システムを再評価し、先進国で行われ ている破壊的な農業技術をこれに置き換えていくという重要な役割を負っている。

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