パーマカルチャーレポート(2010年03月14日(日)午前中) 作成:本倉
2010パーマカルチャー実習コース@PCCJ
第1回 3月13日(土)、14日(日)
講師:設楽さん(全体)、山本さん(農地案内)、ちこさん(大工道具説明)
内容:
1.農地の整地、農具説明、種付けなど
2.大工道具の説明など
3.PCCJの農地見学
1.農地の整地、農具説明、種付けなど
①ジャガイモ植付準備
3種類のじゃがいも(男爵、メークイン、アンデス)を、植えるために二つに切断。
ジャガイモには「芽が生える側」と「根が生える側」があるため、切断した欠片が両方備えるように切断。
生えすぎてたりカビてる芽はちぎっておく。
例えば、上部が「芽が出る側」、下部が「根が生える側」としたときは、
縦に切断する。(下図参照)
「ジャガイモ」
種類ごとにダンボール上に、切断面が上になるように数時間置いておく。
切断面に「皮膜(白っぽい薄い膜)」ができたら、植付準備OK。
(皮膜がないまま植えると腐る)
②班決め~年間スケジュール説明
1年間の農作業を共にするチーム、リーダー、チーム名を決める。
その後、年間の大まかなスケジュールなどの説明を受ける。
特に、パーマカルチャーを通じて何を学びたいのかを決めておくことが大事。
③農地実地研修
1年間農作業をする場所に移動し、温床の作り方、農具の使い方、種まきのやり方、農地決め、農地整地をする。
温床の作り方
落ち葉は炭素でできている。
土地は、窒素と炭素の比率が1:25程度が丁度よい。
(落ち葉が多い=炭素の比率が高いと、微生物が炭素を分解する際に窒素を使うため、結果として土地が痩せてしまう)
堆肥を作るときは、上記の比率で作るのが大事。
踏み込み温床(堆肥を作りながら、その発酵熱を利用して温室を暖める)
落ち葉+米ぬか(たんぱく質)+水(微生物が活動しやすくなる)
3月~5月で発酵させ温室を暖め、5月には堆肥を畑に撒く。
冬の間、落葉樹の落ち葉を集めておく。
発酵には、1立米(1mx1mx1m)程度の大きさの箱が目安。発酵させるにはある程度の大きさが必要。
a.空気を入れるために軽くかき回す。
b.全体が隠れるくらいに籾殻をまく。
c.放線(ホウセン)菌(白い菌。発酵してくれる菌。落ち葉に付着。)のついた落ち葉を15cm程度の厚さで敷き詰める。
d.落ち葉で敷き詰めた上でダンス(踏み込む)する→「踏み込み温床」
2.大工道具の説明
*何よりも大事なのは、「安全」を確保すること。作業の力の向きと、力の方向に身体の一部がないことを注意。上手くいかないときに力技に頼らない。怪我の原因。
コツをつかめば、楽で早くてきれいにできる。新しく使う道具は最初にいろいろ試してみて、コツを探す。
①メジャー
メートル法、尺寸(1寸、1尺など)の種類があるが、尺寸がお勧め。
②さしがね(直角の定規)
丸太の円周、勾配などを測れたりと、多様な使い方ができる優れもの。
最初は両面同じ表示(尺寸?)のさしがね使用がお勧め。
③のこぎり
たて引き、横引きがある。
たて引きは、歯の並びが一列。木を削り取る感じで切る。木目に沿って削り取る。
横引きは、歯の並びが二列で、刃先が鋏のように研いである。木目を切る。横引きで木目に沿って(縦引きのように)切れないことはないが、木目の向きに合わせて基本用途通りに使い分けた方がいい。
「尺のこ」など、大き目ののこぎりの方が使いやすい。仕上がりの美しさと仕上げのスピードで、のこぎりの大きさを選ぶ。
最近は「縦横斜め引き」があり、使いやすい。
「あぜびき鋸」・・・壁に造作するために、壁を直接を切る用
「竹引き」・・・繊維が強い竹を切る用
【コツ】 のこぎりは引くときに切れる(押すときは切れない)。
柔らかい「のこ身」が真っ直ぐな状態か確認しながら切ると、まっすぐ切れる。
「のこ身」が曲がった状態できり続けると、切り口も曲がるし、木材との摩擦が強くなるので余計な力が必要になって大変。
「のこ身」も上部は歯が大きく(早く切る作業向き)、柄の方は歯が小さい(細かく丁寧な作業向き)ため、切り始めは柄の方の歯で切り始め、徐々に上部の歯でスピーディーに切り進めていく。
④のみ
げんのうで叩いて使うもの。頑丈。
じぶんで押して使うもの。小ぶり。
道具は絶対に地べたに置かない。錆びたり、刃先を傷めたりする。作業効率にも影響するため、刃先が極めて大事。
⑤げんのう(金槌)
T字の頭は、多少膨らんでいる方と凹んでいる2種類ある。
釘を打ち付ける際、釘の頭が少し出るぐらいまでは凹んでいる方で叩き、それから膨らんでいる方で叩いて釘を打ち付ける。そうすると、げんのうで木の表面を傷つけることなく、釘を深く打ち付けることができる。
げんのうの大きさは、540gの大きいサイズのものは「のみ」を叩くなどの作業用で、通常はそれよりも小ぶりのものを使うことが多い(使いやすい)。
【コツ】 柄の下の方をもち、げんのうの頭の重さを利用して打ち付ける。力は入れなくていい。
道具を選ぶ際は、重さを生かせる大き目のものがお勧め(力の弱い人にとっても共通)。
T字の頭の断面が、四角形・丸型、八角形などあるが、おすすめは八角形。げんのうを振り上げる隙間が無いところで、平らな部分を利用して叩くことができるため。
⑥インパクト
電動ドライバー(ドリルドライバー)は、ねじ込むもの。
インパクトは、廻してねじ込む力に叩く力もあるもの。主に建築用に使用。
特に硬い材木でなければ、ドリルドライバーの方がスムーズ。
ドリルドライバーは、ねじ込み終わったところでドライバー本体が回転することがあり、手首を痛めることがあるので注意。
【コツ】 ねじに対して直線状にドライバーを合わせ、下にぐっと押さえて使用する(でないと、ドライバーがねじ頭から外れ、なかなかうまくいかない)。左手で押さえてもよい。
握りに応じて回転数も変わるものもある。
ドライバーの先端も消耗品のため、適宜交換する。
バッテリーは12V、14.4Vの種類があり、14.4Vの方がパワーがある。
バッテリーは途中充電できるリチウム・イオン電池がおすすめ。
(ニカド電池・ニッケル電池は途中充電できない。途中充電するとフル充電できる容量が減る。メーカーでリセットしてくれるが不便)
3.PCCJの農地見学
主に以下施設を見学し、説明やポイントの説明があった。
①スパイラルガーデン
②雨水と蒸気を利用して涼しくした野菜即売所
③おがくずの下にダンボールが敷いてあるため雑草も生えず、ダンボールはミミズの好物であるため、1年後には肥料になる。
④大量の「おかくず」「間伐材」をどこからもらうか。(「おがくず」も産業廃棄物であるため、廃棄は有料)
⑤コンパニオン・プランツ。ねぎ(多年草なので1年中ある)の成分は土の中にいる線虫(根菜を食べる)を駆除する。夏にマリーゴールドを植えるとさらに良い。ねぎは分裂して増え続けていく。春に2、3本植えてあげれば、秋には10本ぐらいになってる。
⑥畑の所々に「にら」を植えると連作障害が緩和される。「にら」は虫が避けるため産卵しない傾向がある。10年経過すると、連作障害を越えた生態系ができてくる。
⑦自然素材の農薬の作り方:「馬酔木(あせび)」という低木の花を乾燥させ、石鹸と混ぜて煮出す。
⑧タイヤの中でジャガイモを育てる。育つに従ってタイヤを被せていく。ジャガイモは茎に生る。タイヤが日光に温められて「ジャガイモの生育がよくなるし、収穫はタイヤを外せば簡単にできる。ジャガイモは連作障害を受けやすいが、タイヤ内の土を入れ替えるだけで連作障害を防げる。
チキントラクターは丸い籠状のものにする。鶏は序列を決める。30羽(雄鶏1羽に対して雌鳥25~29羽)が限度。チキントラクター用の敷地を10箇所作り、1週間ごとに移動させる。10週で1周。1週間ごとに新しい場所に移動できるので
鶏は新鮮な雑草を食べられる。とても優れた仕組みだが、小動物対策が課題。
アースバッグハウス。土嚢を積んで土と石灰を周りに塗ったもの。年間を通じて涼しい。気候安定。主に保存庫として利用。
ロックハーブガーデン。既存の地形(特徴)を生かして、植物が育つ環境を作ってあげる。
里山は、人が住む「里」と動物が住む「山」のバッファーゾーン。里山を整えることで、里が動物に荒らされることがなくなるはず。
鶏のえさは配合飼料が一般的だが、これにはエンドトキシンという猛毒や抗生物質が入ってる。配合飼料を使わないとなると、穀類4割、牡蠣殻2.5割、おから(鶏は大好物)、草などを使う。
(参考:配合飼料はコーンなどの穀類の1/3の価格。7.5kgが1680円。20kgで1000円未満。)
同じように育てた果樹園でも、チキントラクターを利用したものとそうでないものとで比較すると、利用している方が明らかに育ちがいい。共生・共存が自然の形。(チキントラクター利用のほうは花が満開だが、そうでない方は花が咲いてなかった)
鶏の除草能力は高く、もし鶏が畑に逃げ出したら、2~3時間で畑は壊滅状態。
畑で動物を飼う時のお勧めは、アヒル。アヒルの除虫能力は高く、2000匹/日。
狐・野良犬などの小動物に注意するのはどちらも一緒。
アヒルは頭もよく、人間とある程度の意思疎通もできる。糞はかなりくさい。
自給自足を簡潔させる敷地計画の農地を見学。
一反(1000㎡、300坪)程度の敷地があれば、米と野菜とで自給自足できるだろう。
一人1年で米は30kg食べる。4人家族で120kg。一反あたりでは通常農業では500~600kgの収穫が目安なので、120kg収穫目指すと1/5の面積ですむが、有機農業では五畝(セ)ぐらい必要だろう。他、一畝の畑、二畝の果樹、一畝分の家屋、合計して一反で自給自足ができる計算。
(参考:十畝=一反 一畝=約100㎡)
土地利用法
農地は税金が住宅の1/10ぐらい。2坪以上の建物や常駐する建物は建ててはいけない。
(コロニーヘイブン、ダーチャ、クラインガルテンなどがこれからの農地の使い方の参考になる?)
杉菜(スギナ)の芽である「土筆」は、酸性の土壌に育つ(田畑に土筆が生えるのは、土壌が酸性になっている目安)。
燃やしたもの(灰、炭など)はアルカリ性、雨がよく振った後は酸性。日本は雨が多いので、酸性になる傾向が強い。
酸性土壌をアルカリ性にするには、堆肥を入れるのがベスト。(灰を撒いたりするのは一時的なもの)
第1日目 夜の部レポート
Ⅰ.パーマカルチャーの基礎
Permaculture
「Permanent (永続可能な)」+「Agriculture(農業)」+「Culture(文化)」
宇宙の起源 137億年前 ビックバンで水素とヘリウムが生成
宇宙の法則
エントロピーの法則(熱力学第2法則)
すべてのものは廃熱に変わって均一化する。 例)熱は、熱い方から低い方へ流れ、やがて
同じ温度になる。
物質とエネルギーは使用可能なものから使用不可能なものへ変化し、逆戻りはしない。
参考)エネルギー保存の法則(熱力学第1法則) ‐物質とエネルギーの総和は一定
⇒ エネルギーは、形を変えても総量は変化しないが、元の形に戻すことはできず、
使用不可能な方向へ変化する。
宇宙誕生以来永続的なモノは? 生 命(自 然)
⇒ 自然の循環と流れを知ることで永続可能なシステムを作ることができる。
How ? 自然からのメッセージを受け取ること
観察①
↓
思考②
↓ 意味するものは?共通項は?
法則・コツ(骨)③
① 感性で観察
現実を観る、常識・思い込みを排除する、理想を追わない
③ 伝統文化 - 経験の積み重ね
残っている方*から学ぶ (例)宮崎 焼畑 椎場クニ子さん「おばあさんの植物図鑑」
http://www.coara.or.jp/~sasakiak/Slash-Br.html
*できれば、90歳以上の方が望ましい(80代は近代化を進めた世代)
③ 科学 - 伝統文化に共通言語を与える
すべての人が理解できるようになる
Ⅱ.パーマカルチャーの倫理
1. 自然に対する配慮
配慮とは? Care = 相手が望む事をする
自然が望む事 人がいる事で地球を豊かにする
自然があるがままの状態
命(生物)が豊かになること(多様性)
関わりを持ちながら生きてゆく
人が求める事と混同しない! 自然が主体
自然を汚さない・壊さない・乱さない ← 人間の視点
2. 人に対する配慮
人が求めている事 自己実現 ← 認める、尊敬する
受けとめてもらう事
絶対的安心感 -自分の行動に対する反応がある=存在を認められている
本来は、家族がその場を提供 -現代は、コミュニティで実現
(参考)アンソニー・ギデンズ「モダニティと自己アイデンティティ」
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4938551748.html
昔の日本
大家族制 - 名付け親 母方の叔父・叔母
=第二の親 冷静に接してくれる。両親は絆が深い分、憎しみも深い。
現代では?
コミュニティを理解し、生きてみる。
新しいコミュニティを形成する
現代のコミュニティは、伝統文化を失って形骸化している事が多い
自分の望むもの = 社会の望むもの ⇒ 自 由
3. 資源の(余剰)の共有
地球の生産力は無限by Bill Mollison
自然は余剰を与えてくれる (前提:自分が生産者であること)
一姓の共有 それぞれの一姓を分け合う = 交換経済
現状:世界で適切な栄養摂取ができる人 40%
人間はよりよいモノを作っていける存在
以上
