第12期パーマカルチャー塾 デザインコース(第4回)
2010年6月5日(土)
講義『パーマカルチャーの倫理』
講師:設楽 清和
・人間として大切なこと。
・自分の中で持つ人間の行動規範及びあるべき姿。
・一定の方向性。(人間一人一人に倫理がなければ、社会から孤立の恐れ)
※日本では、戦前の「修身」のような強制的な意味合いの反動から、腫れ物に触れては
いけない雰囲気が強かった。 → 環境問題関連で使用され始めてから、見直されていく。
↓
[万人に対しての人間の行動規範が根底にある=倫理] → 法律となる。
・倫理とは対をなすもの。
・集団または個人間の闘争を未然に防ぐための取り決め。
(国家機関等の多数による他者が決める)
大昔)自然の流れに従う
→ 現代)個人の自由を求めたがる
→ 時折自分の胸の内に働くのが倫理(自由と倫理は表裏一体の関係)
※自己に対する配慮(自分に対する接し方)=倫理
●権力(威圧的または支配的なイメージ)
・しかし始まりは、複数の人々との交流から
→ 互いの合意により作り出すもので、良いも悪いもなく、いつでも生じる
・ただし、権力は腐敗する(弱者による依存が原因 → 強制・支配が生まれる)
●倫理的なふるまい
・強者(=権力者)が、倫理を基に作られた法律に則って、自治を遂行していく
・自らを知る、形成する → 自己に対する配慮(自由・自立・自律)
※パーマカルチャーで必要とされているのではないか?
●社会構造について
・西洋社会 許し(違う価値観を受け入れる)、約束(一つの共通の目標像)
・日本 表面上、抑圧的に見られがち
(ムラ社会) 生きる場所が与えられている
"緩い"部分で人間がかみ合っている
※違った社会構造においては
・それぞれの文化または価値観を基準にした自分たちの行動
→新旧それぞれの文化または価値観のぶつかり合い→合意形成に時間かかる
●地球に対する配慮
(「相手が望むことを理解し、その実現に手を添える」という気持ちから始まる)
・生命の存在と永続を末永く望むこと
・生命が生きやすい環境を作る
(キレイに美しく保つ→生命がエネルギーに満ち溢れている)
↓
感動させてくれるもの 原風景(自然に恵まれた場所など)
場面(映画など)
↓
[自身の手掛けるデザインを決定する]
※「地球=より良く豊かに育まれる場所」を目指す
例)宇宙飛行士→宗教家に転身することが多い
講義『自然に賦存するエネルギー』
講師:山田 貴宏
●自然に賦存するエネルギー......地球環境にあまねく存在するもの
(例)太陽光、重力、風力、潮力(=月の引力)、水力、地熱、石油、石炭、ガス、火力
原子力
※石炭(固体)→石油(液体)[運搬しやすいゆえ、1950年代のエネルギー革命で重宝]
ピークオイル......石油生産頭打ち
(将来的には、自然レベルに合わせた暮らし方に転換すべきでは?)
↓
電気(=自然に賦存するエネルギーから得られる)......一番使い勝手がいい
○身近なエネルギー......日常生活において、直接的または間接的に利用するエネルギー
(例)・人間、動物→徒歩、走行
・ガゾリン→自動車
・軽油→大型バス、トラック、トラクター、フォークリフト、気動車(鉄道)
・天然ガス→自動車、フォークリフト、風呂、湯沸かし器、コンロ、照明
ストーブ
・電気→電車、自動車、照明、冷暖房、冷蔵庫、湯沸かし器、ウォシュレット
コンロ、ストーブ、掃除機、ドライヤー、扇風機、電話、テレビ、ラジオ
パソコン
●「自然に賦存するエネルギー」としての利用
(例)・風呂、暖房...地熱、薪、メタンガス(牛糞等)
・調理...上記の他に、ソーラークッカー
・照明...採光(太陽光の採り入れ)、メタンガス、ろうそく
・涼房...日陰、緑化、打ち水、気化熱、屋根散水
・蓄冷...土壁、雪
・移動...徒歩、自転車、牛、馬、ソーラーカー
・非電化冷蔵庫の使用 ・掃除には箒を使用
・太陽光による電源→ソーラーパネル、ソーラーバック、電卓
※温室効果ガス25%削減は、家庭部門への圧力が強くなる
◎パーマカルチャー成立の鍵
...電気にどっぷり浸かった生活から、いかに転換させるか? いかに楽しくさせるか?
(ただ、エコポイント目当ての家電製品等の短期の買い替えの目立つのは問題)
※火力・原子力発電...熱機関を冷却させないと爆発してしまう
・冷却水確保のため、沿岸での設置を余儀なくされる
・巨大ゆえ、システムダウンすれば、広範囲で停電の恐れ
デザインワーク
講師:山田 貴宏
場所の周囲を取り巻く資源の分析→関係性をつなげる→情報をデザイン化
→多くの人々と共有する
●図面と線を描く練習(EXPRESSING,DRAWING)
※まずはコピーする→繰り返し練習してみる→感性を高めていく
・手と脳は直結→自分の目指すデザインを考え、図面としての表現に必要
(筆記具、定規、その他の道具→それぞれの種類と手の動きが鍵)
・筆先を見て描けば、形がぶれる
・全体をぼんやり見るようにして描けば、意外とキレイに描ける
6月6日(日)
作業手伝い 田んぼの代掻き(朝食前)
・場所 塾生田んぼ
(センターからJR藤野駅・藤野やまなみ温泉分岐手前右下まで徒歩6,7分)
・参加塾生 中村賢次 巻京子 井上果子 鈴木雄次 吉村泰生 土屋このみ 荒井慧
八木聡美 原田哲志
4月24日土曜日の作業手伝い日に田起こしを済ませた田んぼへの代掻き作業。
1)田んぼ脇を流れる沢の源流に近い箇所から、ホースで水を引き入れる。
2)田んぼ取水口から、徐々に水を土に浸透していく。
3)水の広がりに合わせる形での作業。
半数...スコップでの土の掘り起こし
残り半数...足を使って水に浸透させた土をほぐして平らにする
(スコップと足それぞれの作業は、2人1組ずつ組み合わせて進めた方が妥当)
4)作業範囲を少しずつ広げ、一つの田んぼの代掻きを終わらせてゆく。
1ヶ月数週間後の田んぼは、土が固くなっており、代掻きは難攻。
半分近く進めたところで時間切れ終了となり、翌週13日日曜日の実習コース塾生による作業手伝いへと引き継がれることとなった。
6月6日(日)
朝食
[八丈島直送 アシタバの豆腐マヨ和え◎]
※その背景には知られざるストーリーがあった
・・・このアシタバの自生する山が、ごみの処分場になることが決まっているという、せつない現実である。
食べている物が育った場所、その背景まで味わっていただいた。
午前 講義+観察実習 「 水 」 講師 神谷 博
朝露・もや・雨など分けてみるとバラバラだが、みんな同じもの「水」 水系デザイン研究室にて様々な活動
法政大学兼任講師
雨と水循環
色々な角度・スケールからの図を用いての説明
・一番大きい地球水循環
太陽からの距離により、たまたま良い環境に地球が存在できている。
隕石や、もともと地球の中にあった水もある。
動くスピードは場所により様々。
・地形から見た雨水循環
大きな循環の中で、私たちが目に見える表に出ている水はほんのわずか。
・建築を中心とした雨水循環
雨が降り、地面・植物・海へ、それらからの蒸発散が雲になり、またどこからともなく雨が降る。その様な中に人間も暮らしていて、その体内にも水循環がある。
本来の敷地は雨水をかりて、その場で大気・大地へかえしていたが、今はほとんど
下水道などで、敷地の外へ流してしまっている。雨水はほとんど利用していない。
本来の姿にある様に私たちも雨水をかりて、かえすという感覚をもつ必要がある。
(プリント 雨の建築学 右隣の図 参照)
樹木もその周囲で自分の環境を守っている。
様々な場所での水利用
・ 樹環流(枝葉で集めた水が木の幹を通って根元まで運ばれる)から水をとる様子。
・ アメリカ ニューヨークの木製タンク
・ 地中海 アルベルベッドの雨水貯留層
・ 日本のため池 きれいな池と汚い池
・ 富士山の伏流水による憩いの場 三島(例:柿田川の湧水)
グランドワークトラスト(イギリスからきたもの。住民・企業・行政の三者が協力して、地域の環境を改善していこうという活動)による
・ 平安京 盆地ゆえ水が豊かであり、湧水の池が多かった。特に庭園への利用。
・ 湧水・井戸水の利用 酒どころ(伏見の女酒 灘の男酒)
・ 小金井の環境住宅 雨水ビオトープ 土壌浄化法(ビールケース用いて安く)
・ 水琴窟 屋根→水→音 楽しく、遊びまじえて
・ ペットボトルで泥水を飲み水にする方法
・ 雨水を洗濯水に(川の水より雨水はきれい)
・ 三浦の修道院 神谷さん建築に携わった。
などなど多数紹介していただきました。
水みちを探す (井戸を掘る場所の目安、畑のなかでの適地適作の目安になったり)
ハンガーでダウジング用品を作り、外へ~
(作り方)①クリーニング店使用の鉄製の針金のハンガーを半分に切る。
②針金を覆うビニールを剥いで、直角二等辺状に曲げる。
(方法) ①それぞれの直角二等辺状の針金を、両手で軽く直角に握り、針先を前へ向けて、ゆっくり歩く。
②歩く道の上り下り関係なしに、針金を直角に保つ。
理由はともあれ、何かに反応している。自分以外の力が働くのを感じた!
特に反応が強かったのは、急な坂道と篠原排水池近くの広場(ここは山のどん詰まり、土砂だまり、水がたまりやすい場所ですね、と神谷さん。ここで全員が体験できた。)
※反応の強さの度合いによっては、針金の回転もあり得るとのこと。
※ダウンジング以外の方法は航空写真。湿気部分の筋が見えるとのこと。
午後 講義 「 倫理 」 講師 設楽 清和
1 自己に対する配慮
2 地球に対する配慮
3 人に対する配慮
その人それぞれの文化がある。それは多種多様であり、共通する部分もある。
・人間が望むものは何か?
参考 マズロー欲求の5段階 ⑤ 自己実現・・・成果、社会の中での居場所
④ 自我(認知)・・・存在、自由
③ 親和・・・人との共有、調和
② 安全・・・安心
① 生理・・・生存、食べる、健康
楽しさ、安らぎ、愛、幸せ これらは相対的なもので、それぞれの段階で
あるものかもしれない。
・自己超越(自己実現の先にあるものじゃないか。↑はこれのためのエンジン)
ひとつの文化(ひとりひとりを超えた)を創っていくこと。
「永続可能性」 ~あまねく幸せ~
自分の死を超えて存在する。次の世代もその次も・・・
※小林 秀雄 著 「無常ということ」
・どうしたら自分を超えるものと一体化できるか?
永続性と繋がるか?
三保谷さんより
自然、子供、国外、自分以外の事を我がことの様に思えば、意識が自分を超えて広がってゆく。自分のした事が空間、時間を超えてゆく。その意見を共有し、多くの人がそう思えば、永続可能性に繋がるんじゃないか。(お~!と拍手おこる)
自分は何ができるのか、ひとりひとりが参加することが大切。
・文化作りとは?
難しいことではなく、日常を創っていくということではないか。
(生活習慣としての実感)
伝統文化を受け継いで、さらに新しく繋げていく。
単純に自分がいいと思うことをやり、良かったら共有していく。
創発の行為
→全体と個との相互作用が繰り返されること
労働・仕事・活動の中の"仕事"によって日々を成り立たせること。
(一口に人に対する配慮と言っても深~い。)
4 余剰物の共有
・不要物と余剰物は違う。
(自分で使い切れない流通品が溢れており、流通品全てが余剰物という見方は、ある意味で正しい)
・経済の問題、人間関係のあり方が関わっている。
キーワードは"人間社会を豊かにしているか"
現代は貨幣社会 流通の中に出回っているのは、余剰物ではなくお金を得るための物という感じ。お金は腐らないがゆえに、溜め込んでしまったりして、豊かさから、遠のいているのではないか。
・設楽さんの訪れた"市"
農・狩猟・牧畜の人達が集まり、全部が物々交換されていた。
そこには、単純に自分にないものがあり、他の人が欲しがるものがあり、価値は相手が決めてくれる。
人間が生きていくために必要なもの
・ 仕事によってつくりだすもの
・ 自然がつくり出したもの
そういうものは不思議と自分だけで独占したくない、共有したいと思うようになる。
↑
パーマカルチャーにおいて 私がしていることはこれぽっちで多くは
農業する意味 与えられているという感覚に気付く。
プラス "一姓"・・・自分自身に与えられた能力
それらのものを他へ与える ~ 喜びが生まれる ~ 豊かな社会
以後
演劇づくり → 振り返り
濃い第四回でした。
