新年度を迎えるために大変遅ればせながら、これまでの書類や領収書などを整理し、机の中の要らないものなどを分別していたら、奥の奥の方からマッチ箱が出てきた。中には種が入っていた。「こんなところに忘れていたんだ」。もう10年も前になるだろうか、ニュージーランドのレインボーバレーファームのジョーが始めてPCCJに来たときに置いていった種だった。何処に行ったのだろうと思うこともなくなった今頃に出てきた種。ジョーが亡くなってから既に3年が経って何のメッセージなんだろうかと思う。
形あるものはやがて壊れ、崩れ、人の心からも消えていく。残るものがあるとすれば、それはきっと人の想いと、その想いを乗せた命だけなのだろう。命を繋いでいくことがこれほど切実に大切に思われたことは私のこれまで過ごした時間の中ではなかったように思う。それは私だけではなく、人類の意志ではないかとも思う。命という原点から私たちが行うべき事を見出していくこと。
あの時に蒔くことをためらった種、春が来たら一粒だけ蒔いてみようかと思う。