勇気とは解体し始めた自己を、もう一度文脈のある総体へとつくり直すエネルギーのことだ
2009年4月アーカイブ
百年に一度の不況と言われる現象が起こっているらしい。そして、世界中で、特に、経済規模が大きい先進国と呼ばれている国では、いわゆる経済対策という名目で多くの税金が、独占的に富を独占してきた企業に対する援助や現政権の失政を糊塗する目くらましとしてのばらまきに使われている。どんな経済対策であろうと、要は国民が支払った税金とこれから支払われるであろう税金を担保にした借金が使われることに他ならない。そして、経済が縮小することで、税収も低くなるのが当然であることを現実的に理解するのであれば、現在行われている、あるいは行われようとしている経済対策は借金を増やして、これからの世代に対してその返済の負担を強いることに他ならない。車の新車への乗り換えを促進することを目的とする補助制度など、一見環境対策のような装いを見せているものの、既に不要になりつつある巨大な自動車企業に対する税金のつぎ込みに過ぎない。現政権を支える巨大企業と金持ち達に対する支援であって、その資金源となっている税金を黙々と支払っている大多数の国民に対するものなどでは決してない。しかも、多くの廃車がでるのだから、莫大なゴミを生み出すことにもなる。環境問題をさらに悪化させることは明らかである。デジタル放送を名目としたテレビなどの買い替え促進も同様である。ETC設置などを含めて政府が行う支援は、一見それを利用したものが得するように見えるが、実は自分たちが支払った税金が自分たちのためではなく企業のために使われているに過ぎないことをわたしたちはしっかりと認識しておかなければならない。また、自分たちだけが得すれば良いというエゴイズムもまた、権力による支配の都合の良い道具になることも、自戒しておかねばならない。
今回の経済変動が示しているのは、経済成長を前提とした利子と言う金が金を生み出すいわゆる金融資本主義システムの幻想が崩壊したことである。先取りしてしまった利子を支払うために、必要以上のものが生産されなければならず、そのために自然と人間の労働が過剰に搾取されてきたのが、自然も人もそれに耐えられなくなるという当然の結果が出てきたことに過ぎない。対応策は一つ。耐えられないのだから止めればいい。拡大再生産を止めて、現状私たちが持っているものでやっていく。耐久財は車を含めて大事に使い、その有効期限をできるだけ延ばして行く、さらには食品や衣料の不必要な過剰な消費は控えて、できるだけ自分で生産し、賄って行く。医療は薬や高価な医療器具に頼ることを止めて予防に重点を置き、食べ物や薬草などについての人々の理解を深めることで、お金をかけることなく自らの健康を自らの手でつくりだすことを基本とする。国民保険など医者と製薬会社の利益にしかならないものは廃止する。これだけでも、お金を支払わなければならない負担はかなり減る。高度な治療が必要な病理については国が施設を設けてこれは税金で賄う。
教育は、現在のような中央支配による学校中心ではなく、家庭やコミュニティで、親から子へ智慧や術を伝えることと、人間として身につけるべき普遍的な知識については誰もが望めば知ることができるように、データベース化して図書館でも家庭でもいつでもアクセスできるようにしておくことで十分だろう。子の教育に親自身が責任を持つことで、親である成人の倫理感や理性も常に向上して行くことが求められるようになる。これは社会の安心や安定にも繋がる。
足るをしることを基本とし、それに必要なだけの経済活動を行い、それ以外の時には他の人とお互いに助け合いながら共に働くことで社会をより良くして行く活動を行う。小さな地域単位での自治を行うことで、公務員の数も最低限に減らすことができるので、税金も大幅に減らすことができるだろう。これにより、お金を稼ぐための経済活動に費やす時間はさらに減らすことができる。人はお金を稼ぐために奴隷的な仕事を行って自らをすり減らして行くのではなく、自らを高めることにより多くの時間を使うことができるようになるだろう。
現在の経済危機は、現状のような非人間的な生活や日常を変え、精神的にも肉体的にもより大きな満足の中で日常を過ごすことができるような社会と経済システムを構築する大きなチャンスである。これを行うのに一番のネックとなるのは自分で使うことができるお金が少なくなることにたいする恐怖心だろう。
これを克服する、最善の方法と思われるのは、生産と恊働である。自らが生きて行くに必要なものは、自らの手で作るか仲間とともにつくる。資源は自然が十分に与えてくれており、技術は自らの創意と工夫で向上して行く。仲間がいれば、自分だけでは思いつかないような考えが、自分の中から出てくることに気づくだろう。一人ではできないことも二人三人といれば容易にできる。始めよう。CHANCEのあとはLet's beginしかない。