第八回講義録 心の底から想いを伝える/受け取るコミュニケーション

| COMMENT(0) | TRACKBACK(0)

■日時:2008年12月20日(土)~12月21日(日)1泊2日

■場所:シャロムヒュッテ(長野県・安曇野)

■講師:
・村松康太郎 村松知子 平方亜弥子

■講義内容

〜〜〜12月20日(土)〜〜〜

■シャロムヒュッテ・臼井さんによるエコツアー

DSC09137.JPG1日目は穏やかでとても良いお天気。チェックイン後、落ち着いたところでシャロム玄関前に集合し、簡単な自己紹介後、シャロムヒュッテ臼井さん(K・臼井さん)のエコツアーが始まる。通常1時間かけるところを30分というスピードだったが、シャロムの持続可能な農的暮らしの実践ぶりをしかし要所を押さえたご説明で教えていただく。トークが絶妙。
・シャロムを囲む森、里山 持続可能な生態系
・森の広場 屋根のない野外保育「森の子」の活動の場。たき火や窯もあって楽しそう
・コンポストトイレ 窒素分と落ち葉の炭素分を層にすることで土ができる
・セルフビルドの家 土や木といった自然素材のみで作成。なんと材料費20万円で完成。
・メタンガス発酵装置
・サンルーム
・ペアガラス(シャロムの建物のガラス部分)ガラス屋さんから廃品をもらってきてそれをはめた。なんでも再利用できる。

IMG_2550.JPG

・外水道と小さな田圃 水道の水が1㎡もない田んぼに流れ込む仕組み。水といのちがつながっているから、変なものを流したくなくなる。
・森林農法による畑 
・福岡自然農法による畑 シードボールによる種まきで、いろんな植物が無造作に成長している。おいしそうな水菜が草として生えている。
・種まきの様子 ふかふかと生えている草をどけ、表面を軽く耕すことで草の種を無くす。そして、種をぱらぱらっとまいて、また表面の土をこするようにしてほんの少し土をかぶせる。さらに上から踏みこむ。これにより、地下の水が上がってくる。最後は草をマルチにする。

■今回の合宿のイントロダクション(担当:村松康太郎、村松知子)

今回の合宿のテーマは

個人→集合 小さいもの→大きいもの input→output 過去→未来

夏の合宿で焦点を当てた心、個の世界から集団の世界へ、この1年たくさん行ったinputの中からoutputへつなげいくこと。


■ワーク1 非暴力のコミュニケーション・・インタビュー形式でのペアワーク。

DSC09156.JPG

サスコミュ講座に参加しコミュニティづくりに興味を持った背景には何らかの現実に対する違和感や不協和音があったのではないか。「なぜここに今いるのか」そのきっかけやその背景にある感情について、ペアを組んでインタビューしあう。それぞれのインタビューの中から浮かび上がってきた言葉(心の声や叫びみたいなもの)を二人で話し合って、3つ程度、紙に書き出す。

・・・私たちは、臼井さんがPCに向かっている暖かで静かなサンルームに移動し、お互いのきっかけを話し合う。まったく違う出発地点であり、興味深い。それなのに共感する部分もあってさらに面白い。


■ワーク2 コミュニティにおける対話の試み

コミュニティにおいては葛藤が発生する。その結果、「説得」「議論」「多数決」「無視」「蔭口」といった現象が起きるが、「多様性」「全体性」「関係性」に注目し、新しいコミュニケーションができないかを考えてみる。その際、以下のようなことを意識してみる。

世界観:
たとえば、「誰かの声」は「全体の声」ではないか。この場で出てきた考え方は実は世界でも考えられていることではないか。

態度:
全体で何が起きているのか。その中でスルーされてしまうことはなにか? そして、自分の中で何が起きているのか(内面、感情、体に起きること、姿勢・・)

アクション:
気づいたことを「場」に投げかけてみる。文字通り立場を移動してみる。体の位置を動かすことで不思議と変わることがある。

上記のようなことを念頭に置きつつ、みんなから出てきた言葉たちの紙を真ん中に広げ、車座になって、感じたことや疑問など、話し合う。

DSC09158.JPG

議論が盛り上がったのが「死に方」「コミュニティ内の距離感」の二つ。

死に方については、惜しまれて死にたい、孤独死はしたくない、という声と、死ぬ時は一人で死にたい、といった声があがった。動物は死期を察して一人で死ぬね・・・という話もあった。前者はそれまでの豊かな人間関係の結果としての死に方、後者は死そのものを考えているようだ。死に対するさまざまな焦点の当て方があることがわかる。

その後、そのような意見の違い等を交わす中、「どうしても仲良くできない人、カチンとくる人がいる・・・でも仲良くしないといけない」という心の葛藤に議論が移る。カチンときているけれどいえない、そんな感情に対して罪悪感を感じる、ウマが合わない人とどうすればいいのか。これに対して出た意見をまとめると

・仲良くしなきゃ、という気持ちがあるけれど、しなくてよい、という選択もある。
・「腹が立つけれど、その人の背景がわかると責められなくなる」という田舎暮らしをしている友人はブログで書いていた。
・徹底して話しみると、気づきがある。
・ある場で、一人発言が浮いてしまっている人に対して、真正面から議論に挑んだ。その結果、よく話合えたし相手も満足した。これがうまくいったのは、個人のエゴではなく、場の声として話したからかもしれない。
・一対一での議論がいやだ、という気持ちがある。
→一対一だと対峙しすぎるので、何人かで話し合うようにするのはどうか。多人数のほうがコミュニケーションしやすい。
終盤、発言の少ない人の意見を、という流れにもなり話はさらに広がりかかったが議論時間切れ。

康太郎さんからまとめとして、相手の言動は、入れ子構造のように、実は自分の中の隠されたパートを表している場合があることを意識してみると気づきがあるし、葛藤状態、わからないということに耐える、白黒をつけたがらないことも大事という説明をうける。

さらに「場」には、出てきにくい言葉や感情が存在することがあるが、それを丁寧に扱っていくことで、気づきが起きることがあるという。昔は議論して解決したり決裂していったが、今はゆるいつながり方で許容しあうスタイルになってきている。さらには「続きさえすればよいのか?」「サステナブル・コミュニティ」とは何を意味しているのか・・・といった根本的な疑問も投げかけられた。


■温泉の後の夕食

お楽しみのポトラック・パーティ。約20名の人が持ち寄ったさまざまなお総菜が所狭しと並ぶ。ぬかくどで炊いた炊き込みごはんや酵素玄米もあり、おかわりする人続出。先ほどのワークの緊張感も解け、とっても和やかなひと時。


■ワーク3 これまでの振り返り

DSC09161.JPG

ポトラックの一つとしてふるまわれたお汁粉をいただきつつ、これまでの講座をWebページを見て振り返る。心に刺さったさまざまな言葉達。

「コミュニティは人間の本質を成就する場である」
「これからは、詩つまり自分を表現することとエコとが結びつくのではないか」
「自分が何をしているか知れば、自分がやりたいことが出来る。」
「人間とは過剰な存在である。→ 過剰さをうまくコントロールするのもコミュニティ機能の一つ。」
「OSHOコミューンでの活動のテレビ番組鑑賞」「内なる他者との対話」
「ピークオイル」「("You are what you buy."(なにを買うかで、あなたが決まる)」「もう一つの世界は可能だ」
「バイオリージョン」「商品ではなく、関係を買ってもらいたい」「つながることのチャレンジ」
しかしながら、あったかくておなかいっぱいでちょっとみんな夢うつつ!?

■フリートーク

就寝準備をしたあとは、まだまだしゃべり足りない人がサンルームでフリートーク。スタッフの方のお手製ビールを楽しみながら、農的な暮らし、心の問題など、思い思いに語り合った。昼間のワークの続きで、さらに濃い議論やコミュニケーションもうまれた。

<感想>

本日投げかけられた「コミュニティにおける葛藤」に対する答えはそう簡単には出ない。しかし、そういう感情体験に耳を傾けあい、じっくり話し合うことで、自分の中にも似たような感情体験があることをお互い感じ、理解が深まっていたように感じた。さらに、葛藤に対するさまざまな対応方法や捉え方の工夫についての知恵も大変参考になった。

私自身は議論の最中にどんどん葛藤が大きくなっていって、自分の気持ちをなかなか言えずにいた。しかし、水を向けられ吐き出したことで、自分自身も場も揺らいだように感じた。そして、これまで心の中で固まっていた何かが初めてほぐれかけて心が開き、自分の立脚点ができたようにも感じたのは、すごく大きな体験となった。

この日、いつのまにかこのようなダイナミックな感情や心の動きをしっかりと受けとめられる場ができていたことに驚く。今回体験したように、「全体性」、「多様性」、「関係性」をどこかで意識した感情のやり取りをじっくりと繰り返し、そこから生まれる変化を受け止めていくことが、サステナブルなコミュニティの出発点なのではないか、と思った。

最後に康太郎さんをはじめとするスタッフの皆さん、そして共に過ごしたみなさんの開かれた心に深く感謝します。 

(レポート協力:西山由里子さん)


〜〜〜12月20日(土)〜〜〜

■フェルデンクライス

DSC09167.JPG朝は7:30から安珠さんがフェルデンクライスを。仰向けに寝て骨盤を中心にゆっくり動かし、立ち上がって歩いてみる、を何度か繰り返す。最後に歩いたときには、全身に重力が感じられた。

その後、朝食のお茶とラスク。久しぶりのラスクがおいしかったです。ご馳走様でした。

■ワーク コミュニティー体験のエッセンス(担当:平方亜弥子)

DSC09168.JPG朝食のあとは、これまでのコミュニティ体験ですばらしかったことをテーマに、以下の要領で二人一組になってインタビューし合う。
・その体験の何に惹かれているのか?
・その根底にあるのは何か?
・そこに自分のコミュニティに対するどんな夢があるのか?
・そのために今行っている活動は何か?

これをやってみて、思いもかけない言葉が自分から出てきたのが以外で、興味深かった。幼いころ、自分は周りのたくさんの大人たちから愛されて育っており、その恩をまだ社会に対して返していないということ。気づかせてもらってよかったです。ありがとうございました。

R0017787.JPG二人一組でのインタビューの後、全体を二つのグループに分けてどんな話が出たか報告しあう。私のいたグループでは、「人とのつながり」がテーマとして浮かび上がってきた。これから自分たちの出来る身近なことから始めていけばよいのでは、というところで話がまとまった。その後、話した内容のキーワードの書かれた紙を元に、全員でディスカッション。

ディスカッションが終わっての感想。1対1で話すのが最も心地よい。相手の話もじっくり聞けるし、それに対して自分が相手に伝えたいことをちゃんと伝えられたという満足感が一番あった。話し合いのグループが大きくなるにつれ、声の大きい人、積極的な人は話す機会を捉えることが出来るが、タイミングを逃してしまい話せない人も出てきた。または自分の抱えている思いがこの場にそぐわない、などで切り出しずらくて話せなかった人もいた。大勢での話し合いというものは、全員の本当の気持ちを聞きだすのは難しいと思った。共同体での話し合いで大切なのは、まずはそれぞれが1対1でじっくり語り合い、お互いの関係を深めることかもしれないと思った。


■ランチ

その後は楽しみのランチ。ほうとうとお焼きを作りを、野外でみんなで手伝った。お焼きを焼いた大きなフライパン、欲しくなりました。ぬかくど(籾殻を燃料にしてかまどで炊くご飯)で炊いた炊き込みご飯もいただきました。どれもおいしくて、幸せでした。食事作りを手伝ってくださったスタッフの皆様に感謝です。

IMG_2573.JPG IMG_2588.JPG IMG_2582.JPG IMG_2590.JPG


■二日間の振り返り

R0017819.JPG午後は、今回のワークを終えて浮かんできた自分の感情を、言葉と絵でそれぞれ表現して発表した。

<感想>

今年春から、このコミュニティ講座を通してたくさんのことを教えていただきました。自分で実現したい形も浮かび上がってきましたが、これにとらわれることなく無理のない流れに沿って、楽しく少しずつそこに近づいていければと思っています。この講座を運営してくださった講師の皆様とスタッフの皆様、ありがとうございました。ここでいただいたヒントと出会いを、今後も大切にしていきたいと思います。

(レポート協力:佐々木愛さん)

■受講生のブログ

前回も紹介しましたが、講座を受講されている小山美佳江さんが、これまでの講座の内容を以下のブログにとても分かりやすくまとめてくださっていますので、本講義録と合わせてご覧になっていただければと思います。

「地球時間 できることからはじめよう~持続可能な社会の仕組みづくりを目指して~」


■受講生の声

【印象に残ったこと】
・comunity=人の心次第、人の関係づくりがキーワードだと思った。
・心をオープンに出来ると思った。
・非暴力(コミュニケーション)について。自分の心をちゃんと伝える方法。
・グループのサイズによって自分の話がどこまでシェア出来るかが違って来る。
・ぬかくどすばらしかった!
・"聞く"ことから得られることを再確認した。
・「答えは自分(たち)の中にある」ということを改めて実感する場となったこと。
・ぬかくど、おやき、自(地)ビール、どぶろく。
・自分に向かう、みんなと話す
 ・・・このようなワークショップによって掘り下げられて気づいたことがたくさんありました。
・なぜコミュニティを作りたいのか、何をしたいのかを考えてキーワードが見つかってよかった。
・シャロムいいとこですね。また来たいです。
・ポトラックの夕食がおいしかった~。多様性!
・自分の奥の方にある言葉が出て来て嬉しかった。これを元に先に進んで行けそうです。
・入れ子構造
・プロセスワーク
・シャロムと言う場
・悩める愛しい人々
・気持ちよい場づくり、誰もが発言しやすい場づくり
・今まで思い出していなかったことが原点の原点として明確に思い出せた。
・安曇野の風景とシャロムの空間、ポトラック、おやき。
・やりたいこと、動いていることの『軸』が繋がったこと。
・水俣の話。
・魂が震える話。

【疑問・今後深めたいこと】
・人との関係も含め、自分の中のバランスを持ちたい。
・こころの中の葛藤との付き合い方。
・コミュニティで必要となるもの。
・「ぬかくど」を作ってみたい。
・いろいろな人ともサスティナブルにむけて繋がって行けるような手だて。
 (想いが届く、伝わる人とだけでなく)
・色んな人を受け入れる心持ちが持てる自分。
・講座の最後の想いがいつも自分の中で同じなのは、これでいいのか?
 新しい答えが欲しかったり・・・。
・今後もこういう濃い気づきの場があるといいな~(^_^)
・ぬかくどづくりのワークショップを!
・自分が「帰る場所」になる。
・みんなが集まれる場づくり。
・人との関係や距離。
・このようなワークショップがもっと出来るようになりたいと思いました。
・自分たちのメンバーでやりたい! やらなきゃ!
・プロセスワーク
・パーマカルチャー
・ここで話したことをどうやって人に伝えて行くか、ということ。

【その他】
・こういう交流の場をこれからも作って欲しいです。
・かたく考えすぎずに、コミュニティとか、自分の行き方とかを探る続けたい。
・ステキな場所づくりをありがとうございました。
・今後も引き続き関わって行きたいです。
・スタッフのみなさん、ありがとうございました!メンバーもステキな人ばかりでした。
・またこのような機会を是非作ってください!!
・さらに実践して行く方向で進んで行きたい。
・ここに来たおかげで小さい頃から現在に至るまで自分がどんなに周りに愛されて来たか、と言うことに気づけて感謝の気持ちが湧いて来た。
・生き方でもっと人に伝えられるようになって行きたい。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第八回講義録 心の底から想いを伝える/受け取るコミュニケーション

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.pccj.net/mt/mt-tb.cgi/48

コメントする