■日時:2008年7月26日(土)~7月27日(日)1泊2日
■場所:パーマカルチャー・センター・ジャパン
■講師:
・設楽清和 村松康太郎 村松知子 小川布美子
■講義内容
〜〜〜7月26日(土)〜〜〜
■受付・自己紹介
・「マッピングゲーム」を使ったアイスブレイク。
朝起きた時間や出身地による並び替えなど。
■A.I.による、グループ内での自己紹介。
・これまでに仲間と体験した最高の体験を語るのを聴きながら、メンバー同士でお互いの強み、魅力、能力などを共有して行く。「褒め合う」こと自体がとても新鮮な体験となったようで、一気に場の雰囲気が変化したように感じた。
■講義1:コミュニティとこころ(担当:設楽清和)
・コミュニティの本質とは人間の本質を成就することである。(J.L. ナンシー)
→ メンバーの能力や才能のみがコミュニティに必要とされるわけではない。
・人間はコミュニティにおいて、コミュニティとの関わりにおいて初めて人間となる。
・コミュニティ無くして、人間(のこころ)は成立し得ないのではないか?
・人間とは過剰な存在である。(J. バタイユ)
→ 過剰さをうまくコントロールするのもコミュニティ機能の一つ。
→ その過剰性が文明や文化、アートを生み出してきた。(フロイト/リビドー)
→ 人間は消費ではなく、芸術する存在でなくてはならない。
→ 実現する場がコミュニティ。
・人間は自分を超えた大いなるものとの繋がり/一体感を求める → 絶対的安心感
■講義2:心理療法から"暮らし"へ(担当:村松知子)
・物質的に豊かでも、どこか満たされない現代の暮らし。「何かがおかしい!」
・戦争、飢餓、環境破壊、誰かの犠牲がなければ私たちの生活は幸福になれないのか?
・心療内科での臨床経験
→ 「その人の心根が弱いから病気になるのではなく、いのちが育つ土壌そのものが弱っているのではないか・・・」
→ 心理療法から暮らしのありかた全体へと関心が広がる。
・慣行農法の畑と、自然農の畑。方法論の違いではなく、依って立つパラダイムが違う。
・機械論的パラダイムとホリスティック(全体論的)なパラダイム。
・ただ資源を大切にすることがエコロジーなのではなく、環境との"関係"を捉え直すことが真のエコロジーなのではないか。
・存在とは...inter being/相互依存(チク・ナット・ハン)
・物質(資源)としての「木」と物語としての「樹」。
・スリランカの悪魔払い → 共同体とのつながりの中でいのちは活性化する。
・それぞれがかけがいのない多様な存在が(多様性)、繋がり合って関係しながら(関係性)、全体を形作っている(全体性)場(器)としてのコミュニティー
→ いのちが生き生きと生きる場 → 新しい"わたし"の生成の場
■温泉と夕食
■講義3:スピリチャリティとコミューン(担当:小川布美子)
・OSHOコミューンでの活動のテレビ番組鑑賞
・ヒューマンポテンシャル運動、スピリチャリティムーブメント
・人間の可能性を開く様々な方法論を最も積極的に活用しているのは、実はグローバル企業。利潤追求や、無茶な経済成長のためにそれらが利用されるのは残念。
・スピリチャリティが商業化されている。
・インフォショップ
Q: 信頼出来るコミュニティをどうやって知るか?
A: 「グルの主張すること自体よりも、むしろ、そのコミュニティで暮したいと思えるか、メンバーの雰囲気が良いか、という自分の"感覚"で判断している」
■ディスカッション
〜〜〜7月27日(日)〜〜〜
■じゅんちゃん(参加者)のリードによる朝のヨーガ。
じゅんちゃんの流れるようなリードと、小川のせせらぎのなかで、気持ちよい朝を迎えました。
■PCCJのガーデンの見学
・多様性を重視したガーデン。様々な種類が、混植されている。
・自然の地形や特徴をそのまま生かしたデザイン。
・曲線を増やし、環境を複雑にすることで、多様な生物の生存を可能にしている。
・作業する人間にとってもなるべく負担が少なくなるような、合理的なデザイン。
・生ゴミや刈草を利用したコンポストづくり。
・野菜や草や虫や動物がそれぞれの本質を成就しながら、全体としてバランスがとれている。

■朝食
■講義4:内的コミュニティと外的コミュニティ(担当:村松康太郎)
・内なる"他者"の発見
フロイト/「無意識」
ユング/「シャドー」「元型」
・自分の内側にも様々な"声"がある
→ 内なる「多様性」「関係性」「全体性」がある。
・外的なコミュニティ
人間だけでなく、自然環境や都市とも無関係ではなく、コミュニティとして存在している。
・トランスパーソナルな視点
馴染みのある場所や建物が壊されると「自分の一部が失われたような感覚」を持つことがある。つまり、それらの存在も拡大された自己の一部であると解釈することができる。
・トランスパーソナルな視点を持つと、他者の問題や環境の話などが、"他人事"でなくなる。
→ トランスパーソナルエコロジー、ディープエコロジー
・内的コミュニティと外的コミュニティとはフラクタル構造になっていると考えられる。
つまり、外的コミュニティで起こっている"問題"は、自分の「内的コミュニティ」でも起こっている可能性がある。
→ 他者を排除、攻撃、搾取することは、自分に対して排除、攻撃、搾取するのと同じことである。
→ 社会やコミュニティの問題に取り組むことと、自分の内的な問題に取り組むことは実は同じことである。
■内なる他者との対話のワーク
・プロセスワークを応用したワークを行うことで、自分の内側にある多様な"声"に気づき、それらとの対話を試みる。
・講師による、デモンストレーションの後、各グループに経験者が付き、参加者がワークするのをサポート。
- 「やりたいことがあるのに出来ない日常の自分」、「やりたいことをやっている自分」、「やりたいことを止めている自分」を見つける。
- やりたいと思っていることを止めている"内なる他者"の声を聴き、そのエッセンス(本質的なエネルギー)を知る。
- 2の立場から、日常の自分へのアドバイスをする。
・普段思っている"自分"は実は「一部分」であって、"自分"の中に様々な"声"があることに気がつくこと、そして、それらの"声"にも耳を傾けることが大切。
・自分の内側で"意見の合わない他者"と対話が出来るということは、外的なコミュニティにおいてもそのことが可能ということである。
■グループのトレードマーク&チーム名発表

「Cosmos」 「TEAM 牙」

「砂漠と水」 「曼陀羅」
■グループによる昼食の準備
・事前に用意された食材と朝のガーデンツアーで収穫した野菜などを使って昼食を作る。
・メニューの決定、グループ間での調整、作業そのものも非常にスムーズで、参加者の方たちの「ブループで恊働」する能力の高さが伺えた。
・グループ(またはコミュニティ)で活動することで、個人や単独のグループでは出来ないような、バラエティに富んだ、豊かな昼食が出来上がった。
・「共に作業をすること」や「共に食事をすること」など、体験を共有することが、コミュニティ感覚を育む上で大きな役割を果たすことが感じられた。


■講義5:これからの対話のありかた(担当:村松康太郎)
・エコビレッジでは人々の対話が重要視されている。(例:イサカ/コモンミール、マレーニ/アップフロントカフェ)
・同時に、対話のあり方や意思決定の仕方、あるいはコミュニティ内での葛藤解決のあり方について、意識を高く保って取り組んでいる。(例:イサカEVでのコンセンサスメイキング)
・代表的なエコビレッジの一つであるクリスタルウォーターズでは、葛藤解決のルールが決められていないことが、コミュニティ内での葛藤解決を困難にしている。
→ ルールが無いこと自体よりも、問題解決への住民のコミットメントの無さが問題。
・ディスカッション/ある事象や意見に対して分析、批判を行いながら最適解を導こうとする。
→ 決定を下すには効果的だが、少数意見や小さな声は淘汰されてしまう。
→ 曖昧なもの、新しいこと、全体的で分断不可能なものに対しては機能しにくい。
・ダイアログ/主張や議論ではなく、問いかけや投げかけを通して、事象の全体像を浮かび上がらせることで、"意味"の共有を目指す。
→ "意味"や"ビジョン"が共有されることで、グループや問題そのものへのコミットメントが生まれる。
→ これまでの繰り返しでない、創造的な解決策がもたらされる。
→ "意味の共有"や"気づき"が重要視され、意思決定に時間がかかる。
・私たちは自分の見方でしか世界を理解できないので、「どちらが正しいか」という議論は時として不毛な闘いとなる。(例:「馬と蛙の絵」)
・対話とは、言葉を記号として理解することではなく、ことばを通して"あなた"と"わたし"とが出逢う作業である。
・創造的循環は宇宙を作り出すエネルギーであり、エントロピーに対抗する創造的活動である。
■シェアリング
1.アンケートに記入しながら、今の気持ちをイラストやキーワードなどにして紙の裏に書く。
2.輪になって座り、1を見せながら、二日間を通して感じたことを順番に話し、全員で聴く。
・他人の意見がまるで自分のもののように感じられたり、全体の中に同じようなテーマが語られていたり、全く違っているのに、とても共感出来たり、といった体験が出来たと思う。
■エンディング
設楽さんの音頭で、全員で輪になって「人間イス」をやって終了。
みなさん、お疲れさまでした〜。

■講義資料
スピリチャリティとコミューン講義資料(PDFファイル 315KB)
■受講生の声
【印象に残ったこと】
- 「心根が弱っているからでなく、心が育つ土壌が弱っているのではないか」という言葉
- バタイユ「全ての人は芸術の人でなくてはならない」といった言葉が腑に落ちた(設楽講義より)昔の人たちのように毎日の生活の中で1つ1つのことを自分でやって小さな芸術家として生きて行きたいとおもった
- 「コミュニティーは人間の過剰性をコントロールするもの」「共同体とのつながりの中でいのちは活性化する」
- OSHOのテレビ映像
- 自分の中にもコミュニティがあるということ、やりたいことがなかなかできない自分とか、やりたい自分をとめている自分がいるというのはなかなか面白い発見だった
- 内なる他者との対話のワークで、いろんな反応がでてくるのが面白かった。最後には抵抗するものが突然消えてスッキリ。
- 内なる他者との対話のワークでは、はじめは本当に気づきがあるのかと思っていたのですが、実際にワークしてみるとはっと気づくことが多かったのには驚きました。
- 自分自身を満たす事と社会で生きるという事のバランスが大切。
- 褒め言葉を身体に貼ってもらったのがなんだかとても嬉しかった
- 皆と共に料理をつくること、どんな味になるか分からないワクワク感。
- 村松夫妻はすばらしい! 設楽さんは面白い!
【疑問に思ったこと今後深めたいこと】
- ハッピープアーやインフォショップなど一見小さく見えるけれど、底力があって、普通の生活と結びついているものについて共感
- ラジニーシがビデオでみたような世界に走った理由
- パーマカルチャー=正しい世界、資本主義=悪、みたいな空気も少し感じました。果たして自分はどんなコミュニティーを望むかと考えると、「今、ここ」にある我々の社会がより良くなって欲しいと思う。そのために「今、この」場所からスタートしたいと思うのです。エコビレッジから創造していくコミュニティーも素敵だけど..そこに含まれない色々な声をどうしても僕は聞いてしまいます。
- PCCJの場であっても、一面的になりすぎると心の中で葛藤がおきる。少しずつ多様な意見が出せるような場になるといいと思っていたので、今回の試みはとてもよかったと思う。
- 今後のコミュニティーづくりに今回の体験をどう活かすか
- 相互依存しながら自立した個人であること、言葉だけとらえると一見矛盾しているようにみえることをもっと自分の中でつながるようにしたいです
- 自分自身の「心の表現」を追求していくこと(場にいい活力を与える自分なりの方法)
【ご意見】
- 「内なる他者との対話のワーク」が面白かった。2日間、皆の雰囲気もよくて楽しかったです
- 心と人間関係とかという部分は苦手で、避けていたが今回参加してみてそのあたりとどうつきあったら良いか少し糸口が見えて来たような気がする
- 東京でやるのと雰囲気が変わって藤野でのワークショップ、良かった
- いつも充実した講座をありがとうございます。落ち着いた雰囲気の中、みなさんとお話できてとてもためになりました
- 対話のワークは、少し難しかった 全体的にはとても充実した時間が過ごせた。
- たくさん美味しいご飯を食べて、素敵な人たちに出会えて充実した2日間でした。
- とても楽しかったです。リラックスできる雰囲気と考えさせられる内容を用意していただいてありがとうございました。
- 調理当番で自分のグループの料理が出来上がった時、他のグループの料理も次々と運ばれて来て、みんなで作るって豊かな結果を生み出せるものだと感動した。
- ご飯がおいしかった&温泉がついているのは素晴らしい
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